うごきにふれる
2021.06.04
ワオキツネザル「レオノーラ」闘病記④ ~一難去ってまた一難、そして群れへ~
無事手術を終えた「レオノーラ」ですが、当分はバックヤードでの安静が必要です。
一度群れから離れると、例えボスだった「レオノーラ」でも他個体に攻撃される危険性があります。手術前から診察続きで離れることが多く、手術直前には若い個体に威嚇や追い回されるなど、ボスの姿は見る影もありませんでした。
万全ではない状態で戻っても、また攻撃されエサも満足に食べられない状況に陥る可能性が高いため、"ボス"には戻れなくてもまずは群れに戻れることを目標に、寝室で相性の良い個体と同居させ、徐々に数を増やすこととしました。
選ばれたのが「レイリー」で、「レオノーラ」に寄り添い、他個体が「レオノーラ」を威嚇すると、間に入ってかばうような様子も見られ、この2頭を中心に慎重に1頭ずつ群れを大きくしました。一度闘争すると、ケガだけでなく攻撃されたことがトラウマになって自ら群れを離れることもあるので、日常生活や寝室での様子を慎重に観察し、引き合わせる個体を見極めていきます。
そして今年3月、レオノーラが「うごきにふれる」へ戻ってきました!
当初は群れの端の方でひっそりとしていましたが、数日後には一緒にエサを食べ、毛づくろいをしあう姿も。
ボスに戻るのは難しそうですが、仲間たちと元気に生活しています。
異変が見つかった日から約4か月、手術を含めた治療に耐えて頑張った「レオノーラ(写真:右)」や、「レオノーラ」をかばってくれた「レイリー(写真:左)」、群れを離れた「レオノーラ」を受け入れてくれたワオキツネザルたちを、ぜひ褒めてあげてください。