うごきにふれる
2021.05.20
ワオキツネザル「レオノーラ」闘病記③~手術開始~
ワオキツネザルには、人間と同じく2つの腎臓があります。1つ摘出しても、もう1つが機能していれば日常生活は問題なく送れます。
しかし、腎臓の摘出となると、開腹手術が必要になるため体に負担がかかるのはもちろん、術後はしばらく寝室での隔離生活が待っています。ワオキツネザルは群れで生活するので、群れから長期間離れてしまった個体は、たとえボスといえども仲間外れにされてしまう恐れがあります。また、ワオキツネザルのような野生動物は、犬や猫などの伴侶動物と異なり、点滴ができなかったりと、術後の管理が難しいです。
様々な状況を考えてレオノーラにとって最善の策を取りたい。
そして、1月中旬にレオノーラの腎臓摘出手術を行うことが決定しました。
迎えた手術当日。ニフレルの獣医師1名、動物看護師1名、海遊館からも獣医師が2名が応援に来てくれました。私は記録係として手術に立ち会いました。8時30分に麻酔の導入が始まり手術開始。不安な私を置いていくように手術はスムーズに進行していきました。
そして、無事摘出に成功した腎臓は、直径5cm程の大きさになっていて、「こんなものがお腹に入っていたのに、普通に生活できていたの!?」と、驚きしかありませんでした。開いたお腹を縫い合わせて無事手術は終了。
13時頃に目覚めたレオノーラです。ケージの中でふらついてはいたものの、次第に意識がはっきりとしていきました。
術後、安定して回復し、摂餌や排便も確認することができました。
しかし、安心してばかりではいられません。
ワオキツネザル「レオノーラ」闘病記④へ続く