うごきにふれる
2021.04.28
ワオキツネザル「レオノーラ」闘病記②~影の正体~
検査から2週間後、レオノーラの再検査の日がやってきました。
今回はCT検査という臓器の内部まで検査することができる方法を用いて、詳しく腎臓を見ることに。そこで、海遊館が大阪府立大学獣医内科学研究グループから共同研究に伴って検査機器をお借りしているので、「レオノーラ」を海遊館まで連れて行きました。
検査の結果、左の腎臓が異常に大きくなっていて、正常と思われる部分がほとんどありませんでした。
腎臓が大きくなる原因として腫瘍や細菌感染などが考えられたため、ひとまず翌日から抗生剤を投与して、2週間後に再々検査を行うことに。
「どうにか腎臓がもとに戻っていてくれ」と、担当キュレーターたち一同が祈りながら迎えた再々検査当日。再びCT検査で腎臓の様子を確認。。。
結果、腎臓の大きさは変わらず膨れ上がったままでした。
しかし、朗報もありました。腎臓の肥大が悪性の腫瘍によるものだった場合、他の臓器へ転移してしまう可能性もありましたが、幸い腎臓以外の臓器には異常が見られず、獣医も「おそらく画像で見えるレベルでの転移はないかな?」とのこと。
ひとまず最悪のシナリオは避けられました。
が、一件落着、というわけにはいきません。腎臓が肥大したままでは、他の臓器を圧迫してしまうことや、腫瘤が破裂して腹膜炎になる等様々な可能性があります。また、悪性ではないということが確定したわけでもありません。
そこで獣医師の判断は"腎臓の摘出"でした。
気が付けばクリスマスが終わり、年の瀬を迎えていました。
ワオキツネザル「レオノーラ」闘病記③へ続く