動物看護師
2022.05.18
動物看護師の気ままブログ 看護記録#03
ある小児科の先生から聞いた、ウソのような本当のお話。
患者さんはまだ生まれたばかりの赤ちゃん。そのお母さんが泣きそうな顔で、こう仰ったそう...
「うちの子どものオシッコが黄色いんです!!!」
ん?ん??? ってなった先生が詳しく話を聞くと、「オムツのCMのは青色なのにウチの子は...」だそうです。
なるほど。とにかく、赤ちゃんが病気じゃなくてよかった。そして、そのお医者さんは丁寧に説明してあげたんだそうです。
この話を聞いた時は正直ちょっと呆れていました。でも、飼育や動物看護の仕事をするようになった今では、
『この話をきいたのは20年くらい前で、インターネットも普及していなくて、簡単に情報を得られなかった時代』
『このお母さんは本当に不安で、不安でたまらなくて病院に行ったんだろうな』
『お医者さんや看護師さんはきっと、そんなお母さんの不安に寄り添っていたんだろな』
『私もそんなケアができる動物看護師になりたいな』
こう思う様になりました。
かく言う私も、生きもののオシッコでは不安になったことも。アメリカビーバーのオシッコは黄色通り越して赤茶色...血尿じゃないかって最初はドキドキしたけど、エサ(枝葉)に含まれるタンニンの色だそう。同じ理由で、枝葉を多く食べた後のワオキツネザルの尿も赤茶色になることがあります。新人キュレーターが慌てて呼びに来たことも(そりゃ不安になりますわな)。
上の写真はワオキツネザルの『ラッセル』。お尻を外側に向けて、大事な尻尾も汚れないように上にあげて用を足します。
ホワイトタイガーの『アクア』は、脂肪が多いエサを食べたあとは、尿の表面にけっこうな量の油膜が張ったり、リクガメなどの爬虫類は尿酸含んだ尿をするのでたまにやたらと白い...
ペンギンに至っては、
いつも白い...
魚類はいつ排尿してるのか分からない時が多いので、遭遇するとなんかラッキーな気持ちにwww
野生動物の場合、オシッコひとつ取っても分からないことがいっぱいで、インターネットが普及した現在でも、まだまだ情報は少ないのが現状です。だから、世界中の動物園や水族館、研究者で情報を集めて学会や論文などで共有しています。
ニフレルの獣医さんはとっても勉強家なので、英語の論文もいっぱい読むし、少しでも手が空いたら生きもののために情報を集めてくれています。
私は英語が苦手なので、情報収集はもっぱら書籍(主に日本語)か人脈頼りw
どんなことでもそうですが、情報は多いに越したことありませんが、たまに影響受けすぎることもあって、使い方が大事ですよね。私たちの場合、相手が生きものですから、人の常識はまったく通用しません。色々な意味で想像を遥かに超えてくることも全然珍しくありませんw
ちなみに、冒頭の黄色いオシッコの赤ちゃんの小児科の先生は私の母でしたwww
と、言うことで(どういうことで?)今回はここまで!
3回目にして生きもの(獣医師含む)出てきてよかったぁε-(´∀`;)ホッ