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キュレーターブログ

CURATOR’S BLOG

わざにふれる

2021.08.15

カイカムリ祝1歳!~エピソード編~

ここからは前回(8月11日)のカイカムリ祝1歳!~ヒストリー編~に続き、今回はエピソード編をお届けします。

blog210815_1200×630_1.jpg

そもそもなぜ私が担当になったのかというと、カイカムリの赤ちゃんがふ化したときに立ち会っており、また元々甲殻類に興味があった事から自然と担当になり、育成の方向性などを、先輩キュレーターと相談しつつ進めていました。当初は先輩から甲殻類の育成はとても難しい、全滅することも多い、と聞いていたので大きな不安がありましたが、自分が初めて赤ちゃんから育成に関わることができるワクワクの方が大きかったのを覚えています。

 

始まってみると、やはり順調にはいきませんでした。ふ化当初にあげていたプランクトン類も大きさがかなり小さいので、確実に摂餌をしているのかが分からず不安でしたが、 脱皮や大きくなっていく姿を確認でき、無事成長が進んでいることに少し安心しました。この頃は毎朝、どれぐらい成長しているかのワクワクと、死んでしまっていないのかのドキドキの毎日でした。

 

そこからはメガロパ、稚ガニへと成長し、カニの姿になったときはとても感動しました。しかし、そこから脱皮不全などで稚ガニの死亡が続き、成長できたのはわずか2匹でした。この時のデータをしっかり残し次の育成の際には必ず活かしてみせる。そう強く思う出来事でした。

水槽横に設置していた『キュレーターのつぶやき』ボード。成長とともに姿が変わっていく様子を直接ご覧いただくのは難しいので、こんな手書きのボードでお伝えしました。

キュレーターのつぶやき (2).jpg

 

そしてついに展示デビューの日。この時はカイカムリの赤ちゃんの魅力がうまく伝わるのか、魅力的に感じているのは自分だけじゃないのかと不安でいっぱいでした。

ただ、お客様が水槽の前で「赤ちゃんやって」「かわいいなー」そんな声が聞こえてきました。その時、伝わる喜びと楽しさを感じることができました。ちなみにその日はお客様の反応が気になりちょくちょく様子を見に行ってしまいましたので、水槽の近くでそわそわしているキュレーターがいたらそれは間違いなく私でしょう。

 

これはふ化から約3か月の赤ちゃんカイカムリ。小さいカラダでもしっかり貝を背負っている様子をご覧いただけました。

 

その後はとても順調で、稚ガニに成長してから計9回の脱皮を繰り返し、すくすくと成長をしてくれました。blog210811_1200×630_3.jpg

脱皮直後のカイカムリ。右が脱皮殻です。

 

また、2匹のカイカムリの間で性格の違いも見つけることができました。例えば貝殻を背負い変える頻度です。

種名板を背負うことで有名になった個体は、良く貝殻を変える個体で、朝に赤色の貝殻を背負っていたかと思えば、夕方には白色に。時には黄色の貝殻から全く同じような黄色の貝殻に変えることもあり、何か違うんだろうかと、ツッコミどころが多い個体でした。

バックヤードに移動した個体はその真逆で、同じものを背負い続け、長いときには5日間同じ貝殻だったこともあります。5日持ち続けていると、貝殻にも茶色のコケが生えてくるので、綺麗にしてあげたい気持ちと、気に入っているので背負わしておきたい気持ちのジレンマに悩まされた個体です。そこも愛らしく感じていました。

blog210811_1200×630_7.jpg

同じ種類、しかも兄弟?姉妹?なのに、ここまで行動に差があることはとても興味深く、そして楽しく思いながらの1年でした。

 

私はこの飼育で、カイカムリの魅力。伝える楽しさ、伝わる喜びなど、 キュレーターにとって本当に大事なことを学ぶことができました。

 

ありがとう!カイカムリ!そしてハッピーバースデー!

 

カイカムリの飼育はこれからも続いていきますので機会があればニフレルに会いに来てあげて下さい。カイカムリや様々な生きものたちとお待ちしております。

 

最後に、今回はカイカムリについてのお話でしたが、ニフレルで暮らす生きものたち1匹・1羽・1頭にそれぞれの個性、それぞれの物語があります。ご来館の際には「生物種」としてはもちろん、「ニフレルで暮らす生きもの」として観察すると、また違う魅力が発見できるかもしれません。生きものからたくさんのものが伝わってくるはずです。もちろん私たちキュレーターがそのお手伝いをいたしますので、どうぞお声がけくださいね。

 

ここまで長く稚拙な文章を最後まで読んでいただき誠にありがとうございます。

 

それではまたニフレルでお会いしましょう。blog210815_1200×630_2.jpg

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