いろにふれる
2025.02.23
名は体を表す
子どものころ、「イソギンチャク」という名前の生きものにずっと違和感を持っていました。
「『ギンチャク』ってなんだ?『イソ』はまぁ『磯』なんだろう...。」
図鑑をみると、触手を縮めると巾着のようになる(もしくは巾着をひもで縛ったようになる)とのこと。
当時は『ギンチャク=巾着』と理解はできましたが、いまいちピンときませんでした。
大人になり、キュレーターになった今でもチャンスが無く巾着姿に立ち会うことができませんでしたが、先日ようやくその姿を見ることができました。
普段は花のように開いているサンゴイソギンチャクが、この時ばかりは「THE 巾着」です。
この日は休館日で1日真っ暗だったということもあり省エネモードだったのでしょう。
写真を撮ってから数分後、照明のついた館内ではいつものような形になっていました。
名は体を表すサンゴイソギンチャクの姿に、十数年越しのモヤモヤが晴れたキュレーターでした。