わざにふれる
2024.06.27
トビウオ採集記
みなさまこんにちは!
現在ニフレルではトビウオの幼魚を展示しております。
今回はその幼魚の採集した時の様子をお届けします。
今年のトビウオ展示はキュレーター自ら採集しようという事になり、向かったのは高知県室戸市。
室戸は大きな定置網漁をしている漁協が多く、ジンベエザメも入網することから、定期的に海遊館スタッフが常駐して情報収集を行っています。
今回も海遊館スタッフが常駐しているタイミングだったので、それに合わせて室戸に向かい、トビウオ採集に協力していただける漁師さんを紹介いただきました。
キュレーター、海遊館スタッフ、漁師さんの3人でトビウオ採集に出発です!
トビウオの幼魚は流れ藻(海底から剥がれてしまって海面を漂っている海藻)に隠れて生活しています。
なので明るい夕方のうちに港を出発し、流れ藻がたくさんある潮目を探さなければなりません。
しばらく船を走らせると、流れ藻のある潮目が見えてきました!
さすが漁師さん、だいたいのポイントは分かっているようです。
ここで暗くなるまで待って、灯火採集(ライトに集まる性質を利用して海にライトを当ててトビウオを集める)を行います。
が、ここでキュレーターと海遊館スタッフに猛烈な船酔いが...
この日、午前中は雨と風が強かったのですが午後から晴れて船を出せるまでに天気は回復していました。しかし、海はそれなりにうねっており、漁師さん曰く一番酔いやすい波だったそうです(笑)
しかも酔い止め薬もってきたのに、飲むの忘れて車の中に忘れてくるという始末...
でもここで倒れていては、せっかく採集に来たのに意味がありません!
顔を真っ青にしながら船のへりにしがみついて必死に採集しました。(笑)
まだ小さいですが、ぴょんぴょん飛ぶトビウオ達を必死に網で捕まえる事1~2時間...(船酔いに耐えるのに必死で実際の時間を全く覚えていません。)
海遊館スタッフと漁師さんにも協力いただいたおかげでなんとか必要数は採集することができました!
実際の海を見て思ったのは、流れ藻にはトビウオ以外の小さな魚たち(シイラやハギの仔など)が暮らしており、海のゆりかごとしてたくさんの魚を育てているんだと改めて感じました。
また採集中には、何十匹はいるであろうシイラの群れが船の下を通っていくところにも遭遇し、室戸の海の豊かさを実感しました。
なによりトビウオ達が暮らしている環境をこの目で見れたことはすごくいい経験になりました!
港に帰るときには海遊館スタッフとともにぐったりと倒れこみ、早く陸に上がりたい思いで必死でしたが...(笑)
そんなキュレーターが(かなり)苦労して採集したトビウオ達、ぜひ展示期間中に見に来てください!
※展示は6月末までの予定です!