うごきにふれる
2023.10.10
世界中でケープペンギンを思う1週間①『ワールドワイドワドルに参加しよう』
ケープペンギンは、アフリカ大陸に唯一生息するペンギンです。
白と黒のストライプ模様が特徴で、実は白と黒のストライプ模様のペンギンはケープペンギン以外に残り3種類おり、マゼランペンギン、フンボルトペンギンそしてガラパゴスペンギンがいます。どれも似ていますので、動物園や水族館に行くときにはどこが違うのか観察してみるのもおもしろいかもしれません。
ちなみにこれら4種は、分類もスフェニスクス属という分類上は同じ属に入っています。ペンギンといっても少し細かく仲間分けをすると約6属もあるらしいです。
ペンギンの種類によっては未だ活発に分類についての議論がされているそうです。今後に期待ですね。
実は、南アフリカのケープペンギンの生息数が減少し続けています。2015年には約25,000つがいがいると言われましたが、2022年には約16,000つがいにまで減少しているそうです。
原因は重油事故、鳥インフルエンザウイルスの感染、ペンギンの餌となる生物の乱獲や混獲、またペンギンの密漁や密売と多岐にわたると言われております。
そんな中、先日チリで開催された「国際ペンギン会議」に出席した海遊館の獣医と飼育員が、こんな招待状を受け取ったそうです。
内容は、ケープペンギンの保全活動を進めている人々が中心となって、2023年10月9日から14日にかけて、「世界中でケープペンギンを思う1週間」運動を行うので参画して欲しい、というもの。こちらが日本語版ポスターです。
野生のケープペンギンが減ってきていることからも、動物園水族館における生息域外保全をはじめ、動物園水族館の役割はより重要になってきていると感じています。動物園水族館がペンギンに限らず生きものを飼育する理由は、種を絶やさないと頑張る「種の保存」、ペンギンそのものを来館者に知っていただくようお伝えする「教育」が大きな役割かと思います。最近では、科学的な知見から生きものが幸福に暮らせるように飼育環境をより良くする「動物福祉」の向上も私たちの大きな役割となってきています。
ニフレルにもケープペンギンが暮らしていることから、広くケープペンギンについて知っていただけるよう解説を行っているほか、国内の飼育羽数の状況や産まれてくるペンギンの将来の幸せや飼育スペースなどを考え、計画的に繁殖計画を立てています。そのほかにも、今年度からはケープペンギンがより楽しく暮らせるように、展示通路に出して歩かせるなど、ペンギンが楽しく過ごせるようにできることから取り組んでおり、種の保存と動物福祉向上を目指して日々の飼育を考えていきたいと思います。
皆さまにはケープペンギンについてより知っていただけると嬉しいです!
\「ケープペンギンを思う1週間」Webサイトはコチラ!(英語版)/
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