わざにふれる
2022.03.03
ニフレルに春がきた!
昨年に続き、今年もニフレルに春の生きものがやってきました!
「春を告げる魚」シロウオです!
全長7㎝程度のハゼの仲間で、体がほぼ透明のため背骨などが透けて見えます。沿岸域の浅い海に生息していますが、早春になると河口域に集まり、潮が満ちる時の流れに乗って川を遡上し、岩場で産卵します。早春に姿を見せることから、こう呼ばれています。
今年も和歌山県湯浅町のご協力で、「四つ手網漁」で採集しました。四つ手網漁は一辺2mの四角形の網を川に沈め、「シロウオ」の群れが上を通り過ぎると網を一気に引き揚げて漁獲するというものです。
決して効率のよい方法ではありませんが、「シロウオ」を全て獲りつくしてしまわないよう、江戸時代(約400年前)から変わることなく現在も続いています。湯浅町の四つ手網は、熊野古道のそばにあるので、熊野詣の参る人々は道中、自然と人の暮らしを見ておられたことでしょう。江戸時代にこのあたりを通った方と同じ光景を目にしているかと思うと、感慨深いですね。
これからも毎年、四つ手網の様子やシロウオの姿を通じて季節を感じることができるよう、私たち一人ひとりが自分で取り組めることから身近な風物詩を守り続けていきたいですね。