お知らせ
2023.06.14
「モリアオガエルの卵」を展示開始しました!
2023年6月14日(水)より、館内1階「わざにふれる」ゾーンにて、モリアオガエルの卵(卵塊)を、約1か月間の期間限定で展示開始しました。1週間程度でオタマジャクシが誕生すると思われ、誕生から成長する過程をご覧いただくとともに、誕生からカエルへと成長する過程をご覧いただきます。
なお、誕生したオタマジャクシは、カエルになる前に採集地に返す予定です。
モリアオガエルは、日本の固有種で、本州ほぼ全域の森林に分布しています。体長は4cm~8㎝程度で、カエルの仲間では珍しく樹上で暮らし、4月から7月にかけて池に張り出した樹木の枝先に「卵塊」と呼ばれる粘液を泡立てた白い泡の塊を作り、その中に産卵するという独特の産卵方法で知られ、6月に産卵のピークを迎え各地からモリアオガエルの産卵の話題が届くことから、「梅雨の風物詩」とも呼ばれています。卵塊内でふ化したオタマジャクシは雨で泡が溶けると池に落下し、水中で成長します。
《モリアオガエルの成体(※成体の展示は行いません)》
ニフレルでは、2021年から毎年この時期にモリアオガエルの卵塊を展示しており、展示終了後にオタマジャクシや足のはえた幼体を採集地に返しています。2021年には約450匹、2022年には約800匹を本来生息する池に返しました
《昨年ニフレルで誕生したオタマジャクシたち》
卵塊やオタマジャクシを展示し、誕生や成長を一緒に見守っていただくことで、独特な産卵方法に目を見張っていただいたり、モリアオガエルが暮らす里山の環境に思いをはせていただくことにつながればと考えています。
【モリアオガエルの生息する環境について】
モリアオガエルは複数の都道府県で絶滅危惧種や準絶滅危惧種に指定されており、兵庫県では県のレッドデータブックでBランクの「絶滅の危機が増大している種」となっています。山奥だけでなく人里に隣接する里山にも生息し、農業用のため池や神社の池などでも産卵することから、本来は身近な自然の生きものです。しかしながら、山林の開発や産卵に適した池や沼が埋め立てられたりなど、モリアオガエルが暮らせる環境が減ったことなどが、絶滅が危惧される原因となっています。
【猪名川町里山倶楽部について】
展示中の卵塊(1個)は、大きさ約11cmで、兵庫県川辺郡猪名川町の池にて、猪名川町役場及び森林ボランティア猪名川町里山倶楽部の協力を得て、6月13日(火)に採集したものです。採集に協力していただいた猪名川町里山倶楽部は、里山と親しみ理解を深め豊かな森づくりを進めることを目的に活動しており、枯れ木の伐採や遊歩道の整備、植林など山の手入れのほか、モリアオガエルの産卵など森の生きものの情報も発信しています。
《モリアオガエルが暮らす猪名川町山中の池。猪名川町里山倶楽部の皆様により長年大切に管理されています》
【モリアオガエルの卵の展示について】
《展示期間》2023年6月14日(水)~約1カ月間の予定 ※成長したオタマジャクシは、採集地に返す予定です。
《展示場所》1階「わざにふれる」ゾーン
《展 示 数》卵塊1個(約11㎝)
《協 力》猪名川町役場、森林ボランティア猪名川町里山倶楽部
※生きものの状況により予告なく展示を変更または中止をする場合があります。